猛暑で窓を閉めがちな季節。
エアコンは快適でも、空気はよどみがちです。
そんな時期ほどコロナ対策は「やりすぎず・さぼりすぎず」の基本徹底が効きます。
最近は「また少し流行ってきた?」
という実感を耳にしますが、体感だけでなくデータでも緩やかな上昇が見えています。
いまの流行状況(直近データ)
定点報告の全国平均
厚生労働省の最新公表(2025年第32週=8/4–8/10)では定点当たり6.13。
5週連続で上昇しています。
(第28週2.40 → 第29週3.13 → 第30週4.12 → 第31週5.53 → 第32週6.13)。
昨年同時期(第32週)は10.48で、去年よりは低い水準ですが増加基調です。厚生労働省
滋賀県の状況(第32週:8/4–8/10)
県全体:定点当たり3.49、報告数192例。前週(4.64)からはやや減少。
全国平均(6.13)より低めですが、局地的に高い地域あり。厚生労働省/滋賀県公式サイト
保健所別の定点当たり:高島5.00/大津4.58/長浜3.43/東近江3.38/草津3.09/甲賀2.71/彦根2.57。県平均を上回る地域(高島・大津)では注意が必要です。滋賀県公式サイト
年代別内訳(例数):20代10/30代19/40代24/50代19/60代25/70代19/80代26など、幅広い年代で報告があります。高齢層がやや多い一方、働き盛り世代にも一定の報告が続く状況です。滋賀県公式サイト
最近の推移(滋賀県):第28週→第32週で1.60→2.50→3.34→4.64→3.49。
7月以降は上昇基調でしたが第32週で少し一服しているようです。厚生労働省
県のコメント:滋賀県週報は「第32週は県内は減少だが、全国は増加傾向。お盆時期は例年ピークになりやすい」旨が記載されており、屋内・人混みでは基本対策の徹底が必要です。滋賀県公式サイト
まとめ:「去年よりは低いが、いまは増加局面」。屋内・密集・長時間の場では換気と不織布マスク、体調不良時は無理をしない、といった基本を“季節の生活防衛”として続ける価値があります。厚生労働省
「濃厚接触から何日で陽性が出るのか?」タイムラインで理解する
ウイルス学・疫学の知見を踏まえ「接触日=0日目」として整理します(あくまで目安です)。
1) 潜伏期間(症状が出るまで)
2) 抗原検査が陽性になりやすい時期
- 症状出現の時期から陽性化しやすく、発症2〜9日目に使用する位置づけ(医療現場向けガイド)。
無症状者のスクリーニングには適さないとされています。厚生労働省 - 症状があるのに最初が陰性なら48時間後に再検(計2回)。
CDCも48時間間隔の繰り返しを推奨しています。CDC
3) PCRが陽性になりうる最も早い時期
- 発症の約2日前(=多くの人では接触後まもなく〜数日)からPCRで検出されることがあり、感染性のピークは発症前後に位置します。抗原は「感染性の高さ」との相関が良い一方、PCRはより長く陽性が続きがちです。Nature
まとめ:抗原は「発症の頃〜数日が的中しやすい」。無症状接触なら5日目から開始し、48時間おきに反復。PCRはそれより早く陽性になりうるが、長く陽性が続く点に注意。
予防の基本
換気
窓を開ける等の換気で空気の滞留を避ける。
空気清浄機の利用も効果的です。WHOは良好な換気を一貫して推奨しています。世界保健機関
マスク
高リスク場面(混雑・近距離会話・換気不良)では不織布の着用が合理的です。単独ではなく他の対策と併用することも重要。世界保健機関
手指衛生・咳エチケット
石けん手洗い/アルコール手指消毒を習慣化。世界保健機関
体調不良時は外出を控える
症状があればまず抗原検査→陰性でも48時間後に再検。
重症化リスクが高い人は速やかな受診・治療適応の確認を。CDC
よくある疑問Q&A
Q. 家庭用キットはいつ使えば良い?
A. 症状が出たらすぐ。陰性でも48時間後に再検。
無症状で濃厚接触のみなら5日目から開始して48時間おきに3回が目安です(例:5/7/9日目)。U.S. Food and Drug AdministrationCDC
Q. 「研究用」と書かれた安いキットはダメ?
A. はい。国の承認外で性能確認の対象外。
体外診断用医薬品/第1類医薬品の表示がある承認済みOTCを選んでください。厚生労働省+1
Q. PCRはいつ有利?
A. 症状があるのに抗原が陰性のとき、ハイリスク接触直後の確認、医療・就業上の証明が必要な場合など。発症前から陽性化しうる一方、回復後も長く陽性が続く可能性があります。Nature
参考文献(主要ソース)
- CDC「Testing for COVID-19」(最終更新:2025年3月10日)— 検査の基本と繰り返し検査の指針。CDC
- FDA「At-Home OTC COVID-19 Antigen Test Results」— 無症状は接触後5日からの検査開始と48時間間隔の反復。U.S. Food and Drug Administration
- 厚生労働省「感染対策・検査キット情報」「OTC抗原検査キット承認品目」— 市販キットの選び方・承認一覧。厚生労働省+1
- MHLW資料「SARS-CoV-2抗原検出用キット活用ガイドライン」— 発症2〜9日での使用目安、無症状スクリーニング不適。厚生労働省
- Nature Reviews Microbiology(2023)— 発症前後で感染性ピーク、PCRは長期陽性・抗原は感染性相関。Nature
- CDC Clinical Presentation(2024)/日本データ(2024)— 潜伏中央値3–4日、BA.1/BA.5で2.6–2.9日。CDCPMC